「ITはあの人に頼んでる」が招く8つの経営リスクと対策のススメ

「うちは○○さんに任せてるから大丈夫」…本当に?

「パソコン詳しいのは○○さんだから、IT関係は全部あの人に聞いて」

そんな風に、会社のIT周りを“詳しそうな人”に任せきりにしていませんか?

中小製造業ではIT専任者を置けないことも多く、
「普段からPCを使っていて操作も早いし、任せても問題ないだろう」
と感じるかもしれません。

⚠️ でも実はそれ、会社にとって大きな経営リスクを抱えている可能性があります。

もしその人が突然辞めたらどうなるでしょう?
メールの設定も、会計ソフトも、ネットワークの契約内容も、
「何も分からない…」と会社全体が止まってしまうかもしれません。

ITはもはや、製造現場や事務作業を支える“業務インフラ”です。
電気や水道が止まったら仕事ができないのと同じで、
ITが止まれば、製品を作ることも、納品書を出すこともできなくなります。

そして、頼りにしていた“あの人”が
✅ 突然の退職
✅ 長期休職
✅ 出張や家庭都合で不在
…というだけで、会社は簡単に混乱に陥ります。

📌 この記事では、そんな「ITはあの人に任せてる」状態がどれだけ危ないのか、経営者として何をすべきかを具体的に解説していきます。

経営者が気づかない“本業ではないIT担当”の限界

「でも、うちの担当者はしっかりしてるから大丈夫」
そう思う経営者の方も多いでしょう。

しかし、ITはとても幅が広い世界です。

メール設定やWi-Fiトラブル対応だけでなく、
ネットワーク構成、サーバー、セキュリティ、システム運用、Webアプリケーション、会計ソフトや生産管理システムの連携など、一人で全てを理解するのは本職のITエンジニアでも無理です

業者とのやりとりは「知らない設備を買わされる」のと同じ

IT担当にされた社員が、外部業者と商談に臨むとき。
相手はもちろん、IT専門家です。

例えばネット回線工事やシステム導入の相談で、
「このオプションも入れておいた方がいいですよ」
「この機能もセットの方が安全です」
と言われたらどうでしょう?

分からないから、とりあえず「お願いします」と言ってしまう。
でも実際には不要なオプションで、年間何十万円も余計に支払っている会社も少なくありません。

💡 これは、製造設備で例えるなら「詳しくないから言われるままに高額機械を導入してしまう」のと同じことです。

ストレスが限界に近づき、離職リスクも

そしてもう一つの問題は、担当者本人の負担です。

本来は事務や総務、生産管理などがメイン業務のはずなのに、
✅ PCが遅い
✅ ネットが繋がらない
✅ メールが送れない
…と、何かあるたびに呼ばれ、さらに業者との契約や見積もり確認まで任される。

こうした業務は「本業ではないのに責任だけ重い」ため、精神的に追い込まれるケースがとても多いのです。

⚠️ 結果として、「もう無理だ…」と辞めてしまったり、体調を崩して休職してしまったりすることも。

ここまで読んで、「うちもそうかもしれない…」と感じた方は要注意です。

ITの素人任せが招く“経営的に危ない”8つのリスク

それでは実際に、未経験者にITを任せていることで会社にどんなリスクがあるのかを見ていきましょう。

【業務停止】

最も深刻なのがこれです。
担当者が突然退職、または長期不在になった瞬間、メール設定や会計ソフトの操作、ネットワークトラブル対応が誰もできなくなります。

受注連絡も請求書発行もできず、業務そのものが止まる可能性があります。

【投資判断ミス】

IT業者の提案内容を理解できず、言われるがままに契約してしまう。
結果、社内で使いこなせないシステムや不要オプションを導入し、高額な無駄遣いになってしまうケースが少なくありません。

【情報漏洩】

パスワード管理やアクセス権限設定が属人化し、退職者アカウントが放置されたままになるなど、情報漏洩リスクが常に放置されている状態になります。

【復旧不能】

PCやシステムトラブルが起きても、誰も仕組みを理解していない。
バックアップも取れておらず、データ消失や長期停止に発展し、会社の信用を失うだけでなく、事業継続自体が危うくなる可能性があります。

【IT化の遅れ】

日常対応に追われるばかりで、業務改善やDX推進まで手が回らない。
気づけば他社に大きく遅れを取り、取引先から「古い体制の会社」という印象を持たれてしまいます。

【IT業者依存】

社内に知見がないため、業者に全て握られる状態になります。
価格交渉もできず、提案内容が適正かどうか判断もできないため、不要な契約や高額請求が発生しやすくなります。

【野良ITの発生】

担当者が忙しいため、社員各自が勝手に無料クラウドや外部サービスを使い始める。
管理されないアカウントが増え、情報漏洩や業務混乱の火種となります。

【契約管理ミス】

IT関連の契約内容や更新時期が担当者しか把握していないことで起きる問題です。
不要な契約が自動更新されたり、同じようなサービスを重複契約していたりすることも。
セキュリティソフトや保守契約が切れていて、いざというときにサポートが受けられないリスクもあります。

これらはすべて、属人化と素人任せの放置から起きる“見えにくい赤字”。
⚠️ 気づいたときには大きな損失となり、取り返しがつかなくなることもあります。

なぜITすべてをひとりの担当に頼んでしまうのか?

ここまで読んで「確かに危ないけど、うちはそうするしかない…」と感じた方もいるかもしれません。
では、なぜ多くの中小製造業がIT業務をひとりに頼る構造になってしまうのでしょうか。

PCに強そうな人に“なんとなく”振られる構造

中小製造業の現場では、ちょっとしたITトラブルが起きたときに「誰に聞けばいいんだろう?」と周囲を見渡し、普段からPC操作が早かったり、スマホ設定を人に教えていたりする社員がいると…

「あの人なら分かるかも!」と、つい頼ってしまう心理が働きます。

これは決して悪意ではなく、むしろ「助けてもらいたい」「頼りたい」という自然な気持ちから生まれる行動です。

しかし、最初はプリンタートラブルやメール設定など簡単な相談だったはずが、次第にネットワーク契約の更新確認や業者連絡など本来はIT専任者が担うべき業務まで頼られるようになっていきます。

中小製造業は、元々個人依存になりがちです。そこで、頼られた社員が頑張るとまた頼られる、といったサイクルに入り、元々は「PCに詳しい」というイメージだけで業務範囲が際限なく広がってしまう──
これが、現場から属人化が生まれるきっかけなのです。

人手不足と「お願いね」で決定される現実

一方、こうした頼られ方が、最終的に“IT担当決定”という組織判断に変わる理由は、経営や人事側の構造問題にあります。

中小製造業では、そもそもIT専任を採用する予算が取れない、業務ボリュームがそこまで多くない、といった理由から、正式な役職として配置されることがほとんどありません。

その結果、上司や経営層が「他にできる人もいないし、お願いね」と正式な任命や権限設計もないまま、
事実上“担当者”として固定されてしまう現実があるのです。

本人からすれば、いつの間にか「責任だけは重いのに、権限も支援もない状態」。
これは属人化だけでなく、本人の離職リスクを高め、組織の弱体化にもつながる重大な問題です。

教育・サポート体制がない

さらに深刻なのは、未経験でIT担当になった社員への教育や支援の仕組みがほとんどないことです。重要なものだけでも外部のセミナーに参加したりできればいいのですが、そういった制度や文化がありません。

一度担当にされると、トラブルが起きても「とりあえずネットで調べて」「業者に聞いておいて」
と、すべて自己解決を求められる状況になりがちです。

しかしIT業務には、契約管理、ネットワーク構成、セキュリティ設定、システム運用など、専門知識が必要なものが数多く含まれています。

にもかかわらず、業者との打ち合わせも手探り、周囲からは「何でもできる人」として頼られ続ける。

結果、担当者は本来の業務時間を削られながら、常にプレッシャーを抱え、精神的にも大きな負担を感じることに。

⚠️「育成もサポートもなく、ただ責任だけが重くなる」──
この構造こそが、担当者を追い込み、会社全体のリスクを高める根本原因なのです。

解決策|組織で支えるIT体制と、外部連携のすすめ

では、どうすればこの属人化リスクから脱却できるのでしょうか。

IT業務の見える化・棚卸し

まずは現状把握から。

✅ 社内でどんなIT業務があるのか
✅ 誰がどこまで対応しているのか
✅ 使用中のアカウント、契約内容、業者連絡先

💡 これらを一覧化して見える化することで、「何が属人化しているか」「緊急対応できる人は誰か」が明確になります。

社内での役割分担と属人化の解消

見える化できたら、業務の切り出しを検討します。

担当者ひとりに偏らないよう、

✅ 機器管理は総務
✅ 操作マニュアルは現場リーダー
✅ ネット契約やセキュリティは外部

など、業務ごとに明確な割り振りをしていきましょう。

⚠️ 専門的作業は無理に内製しようとせず、「内製しない勇気」も経営判断として重要です。

外部パートナーの活用

もちろん、すべてのIT業務を社内で対応する必要はありません。
実際、多くの中小製造業でも、専門性の高い部分は外部パートナーに任せることで、担当者の負担軽減と経営リスク削減を両立しています。

例えば、「ITおまかせアシスタント」のようなサービスでは、日常のちょっとしたトラブル対応から、業者との交渉、システム管理、PCの初期設定など、本来であればIT専任者が必要な業務まで幅広くカバー可能です。

ここでは、そのサービス内容の一部をご紹介します。

ITおまかせアシスタントの活用でできること

🧑‍💻 社員の“IT窓口”を代行
トラブル対応、操作質問、業者連携なども即対応。

🧰 PC・システムの初期設定や障害対応もお任せ
新規導入やトラブル時もスムーズ。

📑 契約やパスワード情報も整理&継続管理
属人化しやすい管理業務も一括サポート。

社内にIT担当がいなくても、日常業務を安心して回せる体制が整います。

「詳しい人に任せている」状態から、「いつでも聞ける仕組みがある」状態に変わることで、会社全体の安心感と継続性が格段に向上します。

まとめ|“任せてるから安心”が一番危ない

今回のテーマは、「未経験に任せている=大きな経営リスク」というお話でした。

ITは、業務インフラであり、製造現場と同じく“止まってはいけない領域”です。

解決には、

✅ 業務の見える化
✅ 社内役割分担
✅ 外部パートナーとの連携

これらを経営判断として実行することが必要です。

経営者の「今なら大丈夫」という油断が、思わぬ事故や損失を招くこともあります。

ぜひ、今このタイミングで“守りながら効率を上げる”IT環境づくりに踏み出してみてください。

「ITおまかせアシスタント」では、貴社の状況に合わせて、無理のないスタートをご提案いたします。

ちょっとした不安、現状の整理、料金のことまで、どんなことでもお気軽にお尋ねください。

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